近年は、インターネットなどでフルカラーの名刺が安く作れるようになったことも手伝い、自社のロゴを含めてカラー名刺を作る企業も増えてきました。
しかし、そんな風潮の中だからこそ、あえてモノクロの名刺を用意することも、自社のブランドイメージ向上にプラスに働くこともあるでしょう。
そこでこの記事では、モノクロ名刺とカラー名刺、双方のメリットを考えるとともに、それぞれをデザインする際のポイントについて解説します。
自社のブランドイメージに合わせ、最適なカラーを選ぶ一助としてください。
カラー名刺が全盛の現代では、あえてモノクロ名刺を利用するということは、当然以外なインパクトを残すことができるでしょう。
とはいえ、モノクロ名刺にはその他にもさまざまなメリットがあります。
名刺の印刷にわざわざ1色ずつ版を作らず、デジタル製版ができるようになったことで、カラー印刷の料金は以前と比べてはるかに安価となりました。
しかし、そうはいっても多くの印刷会社では、今でもモノクロ（1色）印刷のほうが安いことに代わりありません。
最低限の予算で名刺を作りたいのであれば、やはりモノクロ名刺に軍配が上がります。
印刷技術の向上に伴い、複数の色を使い分けなくとも、1色だけを使った印刷の濃淡だけでも微妙な画像表現が可能となりました。
そのため、写真やイラストなどを1色で印刷したとしても、名刺デザインの工夫によっては、むしろカラー印刷よりもクールでおしゃれな印象を与えることもできます。
1色のみで印刷するデザインだからこそ、用紙自体の色合いや質感を際立たせることにもつながります。
エンボス加工紙や手すき和紙など、紙そのものが手ざわりなど特殊な質感を持った用紙の特性を活かすには、むしろモノクロ印刷こそ印象が際立ちます。
対して、カラーで名刺を作るメリットはどのようなものでしょう。
改めて確認します。
色の組み合わせにより無限にデザイン表現の幅を広げられるのは、カラー名刺最大のメリットです。
カラフルなロゴだけでなく、写真やイラストなどをフルカラーでデザインに取り入れれば、それだけで圧倒的な情報量をひと目で伝えることができます。
マクドナルドなら赤と黄、セブンイレブンなら緑・赤・オレンジなど、企業を色でイメージさせることは、CIの観点からも重要な戦略です。
そうした企業の色を表現するには、カラー印刷でなければできないという場合も少なくはないでしょう。
色の組み合わせ次第では、より華やかで鮮やかな印象を相手に与えることができます。
特に、近年は金や銀といったメタリックカラーや、薄い金属箔を名刺表面に圧着させた箔押しなどの特殊加工技術も進んでいますので、より選択肢のあるカラーを選ぶことができるようになっています。
モノクロ名刺とカラー名刺、双方にメリットがあり、それはそのまま互いのデメリットということもできます。
重要なのは、自社が「どのようなブランドイメージを訴求したいのか」といった点に、十分留意してカラーを選ぶことです。
単に白い紙に黒一色でテキストだけ印刷された名刺では、一見安っぽくも見えてしまいますし、ごちゃごちゃと色を使いすぎたカラー名刺では、かえってマイナス印象を与えてしまうでしょう。
なによりも、色の選択はブランディングに合わせるということを忘れずに、それぞれのよさを活かしたデザインを行うことです。
ここでは、それぞれの名刺に適したデザインのポイントをご紹介します。
モノクロ名刺をデザインするポイントをまとめます。
写真などを名刺に使う場合、カラー印刷だと画像のほうがテキストよりも目立ってしまうとうことは往々にしてあるものです。
しかし、本来名刺で伝えたい内容はテキスト情報であるはずで、画像をモノクロの陰影のみとして背景に敷き、テキストを太めのフォントで濃く印刷すれば、明確にテキスト情報を主役とすることができます。
写真全体を網掛けするなどして透明度を落としてやれば、テキストはさらに際立つでしょう。
モノクロとはモノクローム（monochrome）の略で、日本語でいえば「単一カラー」という意味となります。
つまり、なにも「白黒」をモノクロというのではなく、1色だけで印刷された名刺はすべてモノクロ名刺と呼称できるのです。
このことから、あえて用紙にこだわったカラーペーパーを選び、その対比となるインク色を選ぶことで、テキストだけのデザインでも強いインパクトを持った名刺を作ることができます。
カラー名刺をデザインするポイントをまとめます。
企業や商品のロゴに、2色以上の色が使われている場合は、圧倒的にカラー名刺がおすすめです。
紙色には白を選んで、ブランドロゴに使用されている色をベースにおしゃれにデザインをすれば、統一感を持ったブランドイメージとして名刺を渡した相手に与えることができるでしょう。
ロゴ自体が多色で構成されたものである場合は別ですが、名刺のカラーはあまり多くの色を組み合わせないようにしましょう。
特に、紙色を含めたベースの色は3色以内に抑えることで、見た目にもスッキリとした印象を与えてくれます。
もしも多色を利用する場合は、中間色や色の対比を考えた、全体のバランスが何より重要です。
ビジネスシーンで利用される名刺をおしゃれにデザインするには、モノクロ名刺とカラー名刺のどちらがより適切か。双方のメリットとともに考えてまいりました。
合わせて、それぞれのデザインポイントについても解説しましたが、どちらを選ぶにしても重要なのは「どのようなブランドイメージを訴求したいのか」といった点に他なりません。
まずはその着地点があって、そのためにどちらを選んだほうが、より強いブランドイメージが訴求できるかが決定するのです。
モノクロとカラー、それぞれのメリットやデザインポイントを鑑みた上で、どうぞ貴社にピッタリあった名刺を選んでみてください。
