名刺は環境配慮紙で変わる!現代ビジネスと持続可能な企業ブランディング

SDGs(持続可能な開発目標)を例に上げるまでもなく、近年は世界中で環境へ配慮する意識が高まっています。それは、企業のビジネスにおける取り組みでも同様です。
現代ビジネスでは、社会や環境に配慮した持続可能な企業ブランディングを行うことは、もはや当然の課題でしょう。
その一環として注目を集めるのが、環境配慮紙を使用した名刺の活用です。
この記事では、企業の持続可能なブランディングを考えながら、その中で環境配慮紙を用いた名刺が果たす役割。さらには様々な環境配慮紙をご紹介します。
未来のビジネスをさらに広げていくための一助として、どうぞ最後までご一読ください。

企業が持続可能なブランディングを行うために

企業が持続可能なブランディングを行うために
ビジネスの発展は、人々の生活を豊かにしてきた反面、生産活動によって排出されるCO2問題など、地球環境に数々のダメージを与えてきました。
こうした環境や社会に対するダメージを最小限に抑え、限りある資源を有効活用していくことは、人類共通の課題であり、ビジネス活動を持続可能な状態にする「サスティナブル経営」という考え方は、今や欠かせないのです。

CSR(企業の社会的責任)を満たす

企業がその活動の中で、利益を追求するのは至極当然のことです。しかし、現代社会では、企業が自社の利益を追求するだけでは、社会的な理解は得られません。
顧客や投資家、あるいは取引先や金融機関といった関係各所、さらには従業員の採用問題を考えても、企業が社会的責任を果たしていることは重要な指標です。
そのため、企業が未来永劫反映していくためには、「企業の社会的責任(CSR)」を果たしていることをしっかりと社会に対してアピールすることも欠かせません。

環境に配慮した企業ブランディング

CSRには、様々な要素がありますが、中でもより分かりやすく、取り組みやすいのが「環境に配慮している」という姿勢でしょう。
企業が営利活動を行うことは、少なからず地球環境にダメージを与えます。この地球環境にダメージを与える活動を少しでも抑えようとする、いわゆる「エコ(自然環境保全)」な考え方は、企業にとっても重要なテーマとなります。
エコな活動を行い、環境に配慮した企業であろうとするポリシーは、サスティナブル経営にとって重要な鍵となり、それをしっかりと企業の中と外に周知することは、持続可能な企業ブランディングにおいては大切なポイントなのです。

環境配慮紙の魅力と可能性

環境配慮紙の魅力と可能性
環境に配慮した企業であるということをもっとも手軽に、かつ嫌味なく周囲にアピールする方法としては、営業活動を含めたあらゆるビジネスシーンで利用される「名刺」の活用がおすすめです。
初対面の相手には必ずといっていいほど渡す名刺に環境配慮紙を利用し、それをアピールすることは、企業がCSRを踏まえた営利活動を行っていることの証となるでしょう。

環境配慮紙とは

環境配慮紙とは、再生素材などを用いて、地球環境へのダメージを最小限に抑えることを目的として作られた用紙です。
用紙の中には、「エコマーク」や「FSC認証マーク」など、第三者の認証を受けたマークを提示できるものもあります。
こうした用紙を名刺に利用することで、嫌味なくより効果的に自社が環境へ配慮していることを伝えることができるのです。

環境配慮紙のデメリット

自社がCSRを果たしていることを雄弁に物語ることができる環境配慮紙ですが、そこにはいくつかのデメリットも存在します。その1つが、取り扱っている印刷所が限られることでしょう。
環境配慮紙には様々な種類が存在しますが、そのすべてを取り扱っているような印刷所はなく、求めているイメージの用紙で名刺を作成するには、まずお目当ての環境配慮紙を取り扱っている印刷所を探さなければなりません。
また、多くの場合、環境配慮紙は通常の安価な名刺用紙と比べると割高になってしまいます。これは、素材の再生にかかる費用が上乗せされているためで、致し方ありません。
環境配慮紙で名刺を作る場合には、「環境に配慮した企業ブランディング」をするための経費と割り切って、多少の割高感を受け入れる覚悟は求められるでしょう。

環境配慮紙のメリット

先にも述べたように、名刺内に様々な環境団体など第三者が認証したマークを印刷することができますので、さりげなく環境に配慮した企業であることがアピールできます。
そのようなマークがない用紙でも、「この名刺は環境に配慮した◯◯を使用しています」などのメッセージを印刷することで、同様のブランディング効果を得られるでしょう。
また、環境配慮紙は何らかの素材の再生紙であることがほとんどなため、原料の繊維感などが活かされた風合いを持っています。
質感を伴った手触りや、ナチュラルな色合いなどは、一般的な加工洋紙と比べた場合、一風変わった特別感をもたらしてくれることは間違いありません。

様々な環境配慮紙

環境配慮紙には様々な種類があると先述しましたが、その種類は印刷所ごとに特徴もあり、そのすべてをここで網羅することはできません。
そこでここでは、ほんの一例として次の4つの環境配慮紙をご紹介します。

kome-kami-FS(コメカミ)

「コメ(米)」に由来したユニークな名称を持つ環境配慮紙です。
この用紙には、食用に適さない古米や廃棄されてしまう備蓄用アルファ米、あるいはメーカーから発生する破砕米、一般家庭や流通段階で食用に適さなくなってしまった米を回収したものなどを活用しています。
やや黄色味がかった色合いと、ずっと触っていたくなるしっとりとした独特の質感が特徴です。

クラフトビールカード-FS

日本国内の小規模麦酒醸造所が、クラフトビールを醸造する過程で廃棄となる、原料のモルト(麦芽)粕を用いた用紙です。
全体的には薄茶色の用紙ですが、その手触りや風合いは表裏で違っており、それぞれ異なった表情を持っているのが特徴で、特に裏面ではその特徴が際立っています。

Vegi-gami-FS にんじん

食品加工工場から回収した、にんじんの皮を使用しているフードロスペーパーです。
紙の色合いは白ですが、ナチュラルなにんじんのつぶつぶ感が活かされた質感と、豊かな表情が特徴的で、他の用紙では出せない独特のデザインを楽しむことができます。

竹紙100ホワイト

国産の竹を100%使用した環境配慮紙です。
日本は竹林の原生率が高い国ですが、管理されていない竹林は周囲の森林や田畑に侵食し、土砂災害を引き起こすなど、様々な問題があります。
竹紙100ホワイトは、この問題の解決に一役買うと同時に、竹に新たな価値を見出し地域経済の発展にも貢献します。

環境配慮紙が生み出す企業の未来

環境配慮紙が生み出す企業の未来
環境配慮紙を利用して名刺を作ることは、自社と関わり合いのあるステークホルダーすべてに対して、自社のCSRをアピールする効果的な方法です。
しかし、環境配慮紙を利用する本来の目的は、そうした自社アピールのための企業ブランディングだけではありません。それよりも、この地球社会の一員として、自社が「できることをやる」という宣言に他ならないのです。
企業がこうしたポリシーのもとにビジネスを行っていることは、そこで働く人の意識向上にもつながります。
そしてそれは、回り回って企業が未来永劫、まさに持続可能なビジネスを展開していくことを可能とするのです。

まとめ

企業が持続可能なブランディングを行うために、環境に配慮した名刺用紙を使うメリットや、その意味、さらにはそこから生まれる企業の未来像について解説しました。
本記事で紹介した環境配慮紙はほんの一例ですが、こうした用紙を利用することは、自社のCSRへの意識を向上させ、それを周囲にアピールすることにもつながるはずです。
しかしながら、もっとも重要なのは、それが単なるポーズではなく、企業ポリシーや従業員も含めた方向がしっかりと環境保護に向いていることこそ、真の持続可能な企業ブランディングを生み出すのではないでしょうか。
今一度自社の立ち位置を見直しつつ、こうした環境配慮紙の名刺を用いて、真のサスティナブル経営を実現させてください。