初対面の相手に渡す名刺ですが、その後の商談を有利に進めるためにも、できるだけファーストインプレッションのよいデザインの名刺を用意したいものです。
とはいえ、一概に「デザインのよい名刺」といっても、レイアウトに始まり、フォントや紙の選び方など、その要素は様々です。
しかし、その中でももっとも視覚的にわかりやすいイメージを伝えることができるのは、やはり「色選び」ではないでしょうか。
センスがよく、かつ相手に好印象を与える名刺デザインは、3つの色を使い分けた配色がポイントとなります。
本記事では、そんな3色の使い分けを解説するとともに、基本となる12色が持つそれぞれのカラーイメージについて解説いたしますので、好印象を勝ち取る名刺づくりの参考としてください。
何かをデザインする場合の基本ルールというものは、3つの色をそれぞれ配色ルールに沿って決めていくことにあります。
3色の配色ルールさえマスターすれば、特別なセンスや経験など必要とせず、見栄えのいいまとまったデザインを作成することができるのです。
これは基本となる「ベースカラー」に対して、「アソートカラー」「アクセントカラー」という2つの色を合わせる配色ルールで、その役割とバランスさえ理解しておけば、デザインを考える際に役立ちます。
まずは、名刺デザインの基本となる色を「ベースカラー」と呼びます。
配色中でもっとも使用比率の多い色で、名刺全体のイメージを決定づける色です。
多くの場合紙の色そのものや、背景にベタ塗り(あるいは模様かけ)した色がこれに相当します。
ベースカラーはあまり主張の強い色合いを使うより、一般的に白やアイボリー、あるいはライトグレーなどの明度が高い色や淡色を選ぶと間違いがありません。
配色中2番目に使用比率の高い色を「アソートカラー」と呼びます。
多くの場合ロゴカラーやイメージカラーなど、もっとも主張したい色がこれにあたり、名刺デザインの方向性を決定づけます。
ロゴやイメージカラーとして最初から決められている場合は致し方ありませんが、原色系や蛍光色など色合いが強烈なものは、全体的にキツイ印象を与えてしまう場合もありますので、使用の際は十分に注意が必要です。
最後の「アクセントカラー」は、3色のうちではもっとも使用比率の少ない色となりますが、その分注目を集めやすい強いメッセージ性を持った色として使われます。
キャッチフレーズなど「見落として欲しくないポイント」に使用すれば、アイキャッチ的にも受け取った人物の注目をそこに集めることができるでしょう。
一般的にベースカラーの反対色を使用すれば、それぞれの色の対比によってより鮮烈さが際立ち、印象的な名刺がデザインできます。
「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の3色をバランスよく使用すれば、デザインが非常にしまったものになります。
その使用比率は概ね次の通りです。
1.アソートカラー:25%
2.ベースカラー:70%
3.アクセントカラー:5%
なお、上記の順番はそのまま色を決定する順番で、まずはブランドイメージを体現する「アソートカラー」を決定することにより、それを引き立てる「ベースカラー」、対比となる「アクセントカラー」を決めていけば、まとまりのある名刺をデザイすることができるでしょう。
名刺デザインの配色ルールを押さえたところで、ここでは基本の12色が持つそれぞれのカラーイメージについて解説します。
合わせて、それぞれの色を「アソートカラー」に使用した際のおすすめ職種例についてもご紹介いたしますので、ご自身のブランドイメージを決定する際の参考にしてください。
「情熱的」「躍動感(アクティブ)」「ダイナミック」「充実感」「力強さ」。
企業のロゴなどにも使われることが多く、躍動感のある先進的なイメージを演出できます。
「元気」「活発」「陽気」「開放感」「カジュアル」。
元気や活発といった印象を持ち、対人関係を円滑に演出する色とも考えられており、接客業などに特に向いています。
「やさしい」「ソフト」「かわいらしい」「癒やし」「官能」。
女性をイメージさせるかわいらしさのアピールに使われます。ただし、同じピンクでも強めのピンクや蛍光色の場合は、より煽情(せんじょう)的なイメージともなりますので、使用する職種を選ぶかもしれません。
「明るい」「希望」「にぎやか」「大胆」「活動的」。
風水的にも「金運」をもたらす色として、道がひらけた希望に満ち溢れたイメージを演出します。
「若さ」「成長」「みずみずしい」「未来」。
新緑のみずみずしい緑色を表しているように、未成熟ながら未来の成長を連想させる色です。
「希望」「平和」「協調性」「エコ」。
世界的に希望や平和の象徴として考えられている色で、エコや平和をうたう団体にもピッタリです。特に黒色と組み合わせることで、力強さを演出できます。
「清潔感」「誠実さ」「知的さ」「落ち着き」。
冷静な印象を与えるため、落ち着いた信頼感を演出することができます。暖色系の代表が赤色なら、寒色系の代表として青色はもっとも人気です。
「高貴さ」「気高さ」「上品」「洗練」。
古くから皇族などのシンボルとしても使われ、高貴な色のイメージを持ちます。同時にミステリアスで神秘的なイメージの演出にもピッタリです。
「慎重」「堅実」「落ち着き」「歴史」。
自然を感じさせるアースカラーでもある茶色は、同時に落ち着いた伝統の表現にもピッタリです。特に歴史のある老舗店舗などに向いています。
「純粋」「静かさ」「従順」「決意」。
純白は何ものにも染められないというイメージを持ち、希望に満ち溢れたスタートアップの象徴ともなる色です。ほとんどの名刺の紙色(ベースカラー)に利用されますが、純白かアイボリーよりか、またはグレーよりかという微妙な色合いの違いで、与えるイメージも大きく変わりますので、用紙選びの際は慎重な吟味が必要です。
ここでは特に「純白」に向いた職種例をご紹介します。
「控えめ」「落ち着き」「強調」「別れ」。
控えめで落ち着いた色調で、自らは主張の少ない色です。しかし対色となる色を引き立てますので、落ち着いた調和を取りたい時には有効です。
「自立」「礼儀」「威厳」「不幸」。
強い意思を感じさせ、主張の強さを感じさせますが、あまり使用比率が多いと個性が出過ぎるため難しい色ともいえます。うまく使えば大人の高級感も演出できます。
ビジネスシーンで相手に好印象を与える、名刺の色使いについて解説致しました。
わかりやすくまとまった色使いのコツは、基本となる3つの色選びとその配色バランスです。
基本色のイメージをベースに、それぞれの派生となる色合いまで含めれば無限の可能性を秘めた色選びですが、本記事で紹介した基本ルールと12色のカラーイメージを参考に、ぜひおしゃれな名刺づくりにチャレンジしてみてください。