【特殊加工名刺】好印象を残す特殊加工名刺10選【メリット・デメリット】

名刺とはビジネス、プライベートの別を問わず、初対面の相手に自身(あるいは自身の所属する会社や団体)のブランドを伝えるためのツールです。
であるならば、テキストや画像で必要なデータを盛り込むだけでなく、色や書体といったデータ以外の視覚情報や紙質など手ざわりという触覚情報まで使えるものはすべて使い、可能な限りの手段でブランドを表現するすべを模索するべきでしょう。
そこで今回は、初対面の相手への好印象を残すために有効な、名刺にほどこす10の特殊加工をご紹介します。
見た目だけでなく手ざわりまで印象深い特殊加工名刺で、ぜひライバルに差をつける初対面の相手の好印象をつかみ取ってください。

特殊加工名刺で初対面から好印象

特殊加工名刺とは、名刺にテキストや画像をただ単に印刷するだけでなく、印刷の手法自体に工夫をこらすなど、用紙にさまざまな加工をほどこした名刺です。
総合的なメリットとしては「目立つ」「印象に残りやすい」といったものがありますが、デメリットとしては加工賃の分1枚あたりの金額が高くなりがちという点があるでしょう。
また、業種やブランドイメージによっては、やりすぎてしまったり演出方法を間違えたりしてしまうと品がなく見えてしまうなど、かえってイメージを残ってしまう可能性もありますので十分に注意が必要です。
そのため相手からの好印象を引き出すためには、加工方法別のメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、自身や自社のブランドイメージをもっとも効果的に伝える加工方法を選びだす必要があります。
次章では、さらに詳細に「好印象を上げる特殊加工名刺」の特徴についてご紹介します。

好印象を上げる特殊加工名刺10選

初対面の相手にインパクトを与える特殊加工方法はさまざまな種類があり、名刺業者によってできる加工に制限があると同時に、その呼び名も変わる場合があります。
ここでは、もっとも一般的に使用される名称で、代表的10例をご紹介しますが、詳細は名刺の発注時に業者まで確認してください。

エンボス加工

「浮き上がらせる、型押しする」の意味を持つ「エンボス」加工は、模様や図柄を彫り込んだローラーを用紙に押し付けて、浮き出し模様をつける加工方法です。
名前や社名を浮き立たせたり、ロゴマークを用紙全体にワンポイントで幾何学模様のように浮き立たせたりができます。
用紙に凹凸を付けることで、見た目だけでなく手ざわりでもアピールすることができ、かといって比較的派手になりにくい演出のため、格調高く上品な印象を与えることができるでしょう。
反面、エンボス加工単体での使用でだと、名刺入れなどに整理された後では目立ちにくいというデメリットもあります。

デボス加工

マークを浮き立たせるエンボス(凸)と反対に、用紙に文字やマークの部分をプレスすることにより、凹ませる加工方法です。
さりげない陰影が付くことで、きわめて上品な演出で控えめな自己主張が行えるため、品位を重んじる職種などにはおすすめの加工方法でしょう。
しかし、こちらもエンボス加工と同様表面からただ見ただけでは目立ちにくい加工のため、派手さはさほどありません。

変形加工

「名刺といえば長方形」という常識をくつがえし、名刺の形そのものを型抜きして形を変えるのが変形加工です。よく見かける角を丸くした名刺も、変形加工名刺の一種といってよいでしょう。
店舗型ビジネスなどが取り扱う商品をイメージする形の名刺を作ったり、ロゴマーク自体をかたどった変形名刺を作ったりと、圧倒的なインパクトを残せるのがメリットです。
ただし、印象が強い分扱える業種が限られたり、場合によってはかえって安っぽく見えてしまったりしますし、受け取った相手が保管に困ってしまう場合も想定しなければなりません。
また、形によっては印刷面が限られ、掲載する情報量が少なくなってしまう場合もあります。

型抜き加工

名刺自体の形はそのままに、社名やロゴマークなどの部分だけを型抜きする加工方法です。
扱い方によっては安っぽくなってしまったり、保管が難しかったりという変形名刺のデメリットを取り払いながら、名刺の一部が素通しになっていることで十分なインパクトも残せます。
あまり複雑な形は抜けない、やり過ぎると印刷面が少なくなり名刺自体が弱くなる、さらに裏面は反転されているデザインのため利用しづらいといったデメリットもありますので、十分な注意が必要ですが、さりげないおしゃれさを演出するにはおすすめの加工法です。

立体加工

2つに折られた名刺を開くと、飛び出す絵本のように立体物が立ち上がる加工がされた、遊び心いっぱいの名刺です。
印刷面が十分に確保された上に、ビジュアル的な訴求もできるため渡した相手にかなりのインパクトを与えることができます。
一方で少しカジュアルな印象が強すぎるため、「オカタイ」系の職種・職業には合わないかもしれません。
また、その構造上どうしても名刺自体の厚みが出てしまうため、相手によっては保管が困ってしまう場合もあるでしょう。

箔押し加工

金や銀だけでなくカラフルな極薄金属箔を、用紙に圧着させ文字や模様に輝きを与える加工法です。
一般の印刷では表現できない金属光沢由来の輝きが特徴で、ゴージャスな演出が期待でき、特にエンボス加工やデボス加工と組み合わせることで、よりおしゃれで上品な印象を与えることができます。
ただし、使える用紙がある程度限られてしまったり、箔押しの上には印刷ができないなどのデメリットもありますので、使用時には十分な注意が必要です。

小口染め加工

名刺の印刷面ではなく、紙を断ち切ったサイド部分(小口=エッジ)を色で染める加工法です。
1枚だけ手にした時にはさほど強い印象を残すわけではありませんが、何枚かの名刺を束ねて持った状態でも一発で見分けがつくなど、さりげないおしゃれさを演出することができます。
ただし、フチを印刷する加工法である以上、一般的な名刺よりもはるかに厚手の用紙を使わなければならず、その分重量やカサが増えたり、紙自体が高額になってしまったりというデメリットもあります。

ホログラム加工

キラキラと光を乱反射させるホログラムペーパーを利用して、名刺を輝かせる加工法で、非常にPOPでキャッチーな名刺が制作できます。
印刷面に薄く半透明のホログラムペーパーをシールのように貼って名刺全体を光らせる方式と、ホログラムペーパーの上に抜けのある印刷紙と透明フィルムを重ね貼り、印刷部分を浮き立たせてみえるようにした2つの加工法がありますが、どちらの場合でも印象的な輝きで目立つ名刺となることは間違いありません。
難点としては職種を選びがちなことや、複数枚の用紙を貼り合わせる方式のため、湿気が強い場所に長時間放置すると、名刺自体が反りやすいという特徴があります。

ダメージ加工

手すき和紙など特殊な用紙を用い、名刺のフチ部分を軽く削って毛羽立たせ、ダメージを与えたように演出する加工法です。
古いビンテージモノのペーパーアイテムを思わせるレトロな風合いは、「老舗感」を演出するにも最適な加工法でしょう。
ただし、ダメージ加工は多くの場合1枚ずつ手作業で行う加工法のため、価格も高めで大量生産にはあまり向いていません。
その分1枚1枚が少しずつデザインの違う1点モノとなりますので、効果的なブランディングツールとして活用できます。

香り加工

特殊加工された名刺は視覚情報だけでなく、多くの場合手ざわりなどの触覚情報が加わりますが、それに加えて「香り」という嗅覚情報まで付け加えたのが、この香り加工の名刺です。
特殊な香りのマイクロカプセル入り透明インクを名刺表面に塗布することで、インク部分をこするなどするとカプセルが破砕され香りが立ち、名刺に第3の五感情報を付け加えます。
飲食店や食料品店、香水屋など香りを扱う職種であれば、絶大なブランディング効果が得られるでしょう。
ただし、極端に業種を選ぶ点や、長期にわたって香りを放ち続けられるわけでは無い点などには十分な注意が必要です。

まとめ

初対面の相手に渡す名刺で、圧倒的に好印象を残させる可能性が高い、10種の特殊加工名刺をご紹介しました。
視覚だけでなく相手にアピールする特殊加工名刺は、その場のインパクトだけでなく、相手の手に渡った後も効果的にあなたのブランドをアピールし続けてくれます。
自身のブランドイメージにピッタリあった特殊加工名刺を選んで、ぜひファーストインパクトを好印象へと変えて、商談や会合の流れを初手からつかんでください。